福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援 研究室

title: 安田 久美(臨床心理士・コホート研究員) —

安田 久美

臨床心理士・コホート研究員

皆さんはじめまして。安田久美と言います。H24年4月から子どものこころの発達研究 センター 発達支援研究室で週2日間働いています。どうぞ宜しくお願いします。 子どものこころの発達研究センターがある福井大学松岡キャンパスは、福井県永平寺町 に位置しています。永平寺町は歴史のある町で、町名からもわかるように約760年前に開 創された曹洞宗大本山の永平寺があります。また自然にも恵まれていて、町を流れる九頭 竜川は鮎釣りのメッカで毎年シーズンになると県外からも大勢釣りに来られています。私 は仕事の関係で大学と永平寺町の松岡保健センターを行き来しますが、道中九頭竜川にか かる五松橋を渡ります。初夏、青空や木々の緑が映る清流へ釣竿を繰っている人達を五松 橋から眺めていると、自然の豊かさが感じられて贅沢な気分になります。興味のある方は ぜひ一度永平寺や九頭竜川に足を運んでみてください。

その永平寺町の多大なご協力を得て、発達支援研究室では永平寺町で出生した子どもさん達の発達に関する追跡調査を行わせて頂いています。私は乳幼児健診などの会場で、生後3~4か月頃から5歳になるまでの子どもさんとそのお母さんを対象に、発達やメンタルヘルスに関するアンケートを実施させて頂いています。

そこで出会う子どもさん達はどの子も本当にかわいい!の一言です。会うごとに寝返りも打てなかった子が打てるようになり、思わず微笑み返してしまう笑顔を見せてくれ、今 度はハイハイしてる、また背が伸びた、おしゃべりしてくれた、走ったなどと、子どもさんがダイナミックに成長していくのを見ると、ただただ感心してしまいます。

またアンケートに記入して頂いている時にお母さんからお話を伺うこともありますが、どのお母さんも日々子育てに努力されていることが感じられます。発達のこと、授乳や食 事、睡眠、しつけ、きょうだい関係 etc…、子どもさんのために様々なことに心を砕いていることがわかって頭が下がります。

少子化の現在、出産して初めて赤ちゃんに接したというお母さんが殆どです。出産する とすぐに周囲は当たり前のように“お母さん”としてのスキルを求めてきますし、お母さ ん自身もそうあるべきと思っていたりします。でもお母さんだって初めてのことばかりで、うまくいかずに途方に暮れてしまうことの連続です。こうあるべき自分と現実のギャップ に苦しんで自信を無くしたり、それでも一人で子育ての大部分を背負って悩んでいるお母 さんもいます。

赤ちゃんがお母さんや身近な人の手助けを借りて大きくなっていくように、お母さんも 親として育っていく時間が必要ではないでしょうか。そのためにお母さんが何もかも一人で背負わず、必要な時には周りの信頼できる人のサポートや協力、アドバイスを求めていいと思います。

子どもさんがその子らしく生き生きと発達していくことを応援したいと思って働き始め ましたが、お母さんのお話を聞かせてもらううちに、いつしか同時にお母さん達のサポーターでもありたいと思うようになりました。私自身もまだ力不足ですが、自分が心理士として提供できることをより高めていきたいと思います。それこそ心強い発達支援研究室のメンバ ーや永平寺町の保健師の方々、そして家族が私の周りにはいます。周囲の助けを借りながら、努力していきたいと思います。

拙い文章を読んで頂きありがとうございました。 改めまして今後ともどうぞよろしくお願いします。

臨床心理士・コホート研究員 安田久美