福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援 研究室

ミッション

「子どものこころの発達研究センターのご紹介」(PDF)

「子どものこころに取り組む」(PDF)

子どもの発達研究センター発達支援研究部門は、次世代を担う子ども達のこころの健康を積極的に支援していこうという考えの下に、平成23年4月に初めて開設された部門です。
  • 「Age2」とは、こころと脳のよりよき発達のため1歳半から2歳になるまでの間に受ける発達アセスメント(発達の評価)のことをいい、発達障がいリスクを早期に発見して、早い段階での療育につなげることを目的としています。療育とは、子どもの症状と個性を理解し、将来、社会的に自立できるように発達を促すことを目的に行う医療や保育のことです。すなわち、「子どもの幸福な未来を創るための2歳までの“こころ育て”を支援する」企画です。
  • 小児は年齢が低いほどからだ全体の調子がこころの状態に影響を及ぼしやすく、こころの状態もまた、からだの調子に影響します。発達障がいを持つ子どもは、幼児期に適切な療育が受けられなかったために、児童・青年期になってさまざまな問題行動を呈することが少なくありません。従って、早期発見と早期の療育開始は、子どもたちのこころの健康にとって非常に重要なのです。しかしながら、まだ言葉を獲得していない乳児期における発達リスクの早期発見は非常に難しいのが現状です。発達支援研究部門では、このリスクを早期発見するための研究を行っています。
  • 脳画像解析の進歩に伴い、最近ではこころの問題を「脳機能」の問題として捉える研究が進んできました。問題行動や社会性障害の生物学的なリスク要因を早い段階で認識すれば、予防や治療へつながる可能性が高まります。「脳」が環境の強い刺激によって影響を受けていることを踏まえ、環境に対する応答性や脆弱性、レジリエンスを規定する神経基盤を明らかにし、さらに、臨床医・基礎研究者・地域をつないだ研究を進めることで、教育・療育方法の新たな開発を進めます。この中で、難治とされる脳機能疾患の治療・予防を可能にしたいと考えます。これらを実現するために、脳イメージングや神経心理学的手法、遺伝学、分子生物学を駆使した脳科学を基盤とする、学際的な研究を推進します。また、何よりも生きる喜びに溢れた子どもたちの笑顔を取り戻すために研究を行っています。

Age2コホート研究

 不登校・引きこもり・自閉症スペクトラム障害・アスペルガー障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)・学習障害(LD)・愛着障害など、いわゆる軽度発達障がいも含め、子どもたちのこころの育ちとその問題は、社会的にも重要な課題となっています。  発達障がいの子どもたちは個々により症状、取り巻く環境、脳の成長発達が異なるため、全ての子どもに画一的な療育を行うことは発達の妨げになるといっても過言ではありません。しかしながら、日本では専門家の数が極めて少なく、また専門家も独自の療法しか実践できていない現状にあります。

 私たちは、発達障がいリスクを早期発見して、早い段階で療育を開始する目的のために、大阪センターを中心に5大学の大学院が連携し、治療教育技法の運動「子どもの幸福な未来を創るための2歳までの“こころ育て”を支援する」プロジェクト(発達支援研究)を現在展開中です。