藤澤 隆史
准教授
平成25年4月より福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究室で講師をしております藤澤と申します。元々は関西出身なのですが、それまでは4年間長崎におり、縁あって友田先生のいる福井大学へと赴任することになりました。
関西圏内を含めると5回の異動で職場を転々としていますが、研究者や大学教員をしていますとと、人からよくどのように就職活動をするのか聞かれることがあります。答えは単純で、どこかの大学や研究所で自分の専攻している分野の人事が募集されれば、そこに申込むというものです。そのような訳で、人事はいつどこで募集されるか分かりませんから、自分の進路は運任せの部分が大きいはずなのですが、最近、つくづく不思議な縁というのを感じます。
一つ目は福井との縁です。元々は大学時代に旅行で訪れたことがある程度の縁でしたが、もう十年ほど経ちましたが、父親の転勤先が福井になりました。単身赴任でしたので、引越しの手伝いや遊びに訪ねたりと、それをきっかけに幾度となく福井に来ることになりました。その度に、九頭竜川のほとりで雉を見たり、冬には雪かきをしたりなど、自然の豊かさに驚いたものです。エルパにも何度も行きましたが、その時はまさか自分が福井に住むことになるとは思いもしませんでした。
二つ目は友田先生との縁です。大学院生時代に何気なく科学雑誌を立ち読みしていると、友田先生の被虐待者の脳への影響に関する記事が掲載されていました。僕は元々、社会心理学が専門なのですが、平たく言えば人間関係を科学的に追及する学問です。しかしながら、当時の社会心理学は虐待という正に社会心理現象に対してほとんど回答を持ち合わせておらず、客観的な生理学データに基づいた友田先生の記事に衝撃を受けました。その当時は読むだけで、それはそれで終わってしまったのですが、その後、自分が長崎大学の生理学教室へと赴任した際に、当時はまだ熊本大学にいらっしゃった友田先生が毎年、講義のための招聘講師として教室に来られることが分かり、それをきっかけに友田先生とお話しさせていただくようになりました。そして、その友田先生が福井大学へと転勤されたのです。それでもまだ自分が福井へと行くとは思いませんでしたが、結果的にこうして福井にいることに、改めて不思議な縁を感じます。
ですから、私が今こうして福井を含めこの研究センターにいることには何か意味があるのだと確信しています。研究センターでは、永平寺町のお母さんとお子さんにアンケート調査に協力していただいたり、「かおテレビ」という装置を使ってお子さんの発達状況を把握するといったことに従事しています。子どもの発達というと子ども自体に目が行きがちですが、子どもだけでなく養育者(親)との関係が何より重要だと考えます。ですので、お子さんの発達を支援するということは、子育てを支援することであり、ひいては養育者を支援してゆくことに通ずるはずです。子が健康であるためには、まず養育者が健康でなければなりません。
このことが実現できるように、皆様や仲間の知恵を借りながら、研究と実践を通じて支援の道を模索してまいります。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
詳細
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