福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援 研究室

平井 宏美

2024年4月から連合小児発達学研究科でお世話になります平井宏美と申します。私は助産師として産科病棟とNICUで勤務をしたのち、現在は、看護系大学の教員をしております。

助産師になった頃から、私の中では一貫していつも、産後のお母さん方の支援、つまり養育者支援がしたいという思いを持ち続けています。 いつの時代も育児に奮闘している母親達がいますが、今は特に、少子化の影響で周りに同じ年齢の子がいなかったり、核家族化が進み地域との繋がりも希薄化しているため孤立育児やいわゆるワンオペ育児が多く、育児ストレスを抱え、結果、精神疾患を発症している母親が多くなっているのをひしひしと感じます。斯く言う私も、8歳、5歳、1歳の3児を育てる母親で、私の場合は、夫となんとかやりくりして毎日を過ごしており、精神の病は発症しておりません(笑)。この違いは何か?昨今、様々な分野においてレジリエンスの概念が広がってきていますが、産後の母親においてもこの概念が関係しているのではないかと考えております。そこで、大学院では、育児ストレスや産後うつ、愛着の観点からレジリエンスとどのような関連があるか探っていけたらと思っております。友田教授の下で研究指導を受けることができることを感謝しつつ、日々邁進していく所存です。

そんな私は、富山生まれの新潟育ち、大学で山形に行き、しばらくしてから再び新潟に戻り、2017年の秋に福井に引っ越してまいりました。日本海側を北上し、そして南下してきたところです。福井に来て思うのは、晴れの日はやっぱり青空なんだということ。以前の職場で静岡出身の方との間に、こんなエピソードがありました。ランチ時に一緒に外を歩いていたある日、「今日は晴れていますね。」と私が言うと、「全然晴れていないじゃない。こんなに曇っているわよ。青空がどこにもないわ。」と、その方は私の発言にかなり驚かれていました。言われてみれば確かにその通りなのですが、新潟や山形は天候が悪く雨の日(冬は雪)も多いので、大概、空は一面グレーか白。天気に関する定義などはさておき、少なくとも私の家族や、新潟や山形の友人との間では、雨が降っていない時には「晴れてるね」という会話がよくあるので、他の地域の方、特に太平洋側の方とは全く違うということに初めて気づかされました。大袈裟かもしれませんが、一つの物事でも地域や環境によって感じ方が異なるのだと身をもって体感し、人の感じ方は面白いと思った次第です。

大学院では、様々なバックグラウンドを持つ方と関われることを楽しみにしております。皆様との出会いやご縁を大切にして、私なりに小さなことでも色々と感じ取り、新たな学習や研究に励んでいきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。