福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援 研究室

小坂拓也

医学系研究科博士課程D4・医学部小児科

福井大学医学部小児科の小坂拓也と申します。平成30年4月より子どものこころの発達研究センター発達支援研究室での研究をスタートしました。自己紹介と私の研究内容の紹介をさせていただきます。

福井県の敦賀市出身です。敦賀は歴史ある港町で、気比神宮、日本三大松原の1つである気比の松原など観光名所も多く、ぜひ一度敦賀に遊びに来てください。高校までを敦賀で過ごし、大学から福井に来ました。大学時代はハンドボールに打ち込み(勉強もしましたよ!)、充実した学生生活を送りました。初期研修を福井大学医学部附属病院で行い、小児科医となりました。小児科医として診療を行う中で、長期間治療が必要な慢性疾患を持つこどもたち、身体機能や認知機能にハンデを持つこどもたち、医療的ケアが必要なこどもたち、社会性やコミュニケーションの苦手さを持つこどもたち、またそのご家族と出会いました。そのようなこどもたち、ご家族の力になりたいと思い、小児神経を専門としています。福井のこどもたちを、笑顔で安心して過ごせるようにすることが私の目標です。現在、福井大学医学部附属病院小児科、こどものこころ診療部、福井県こども療育センターで神経・発達外来をしています。

私の研究のテーマは、「発達障害児の睡眠障害」です。発達障害のこどもたちは定型発達のこどもたちに比べて睡眠障害の割合が多いと言われています。寝つきが悪い子、夜間何度も起きてしまう子、毎日の入眠・起床時間がバラバラの子、まだ暗い早朝に覚醒してしまう子など、睡眠障害のタイプは様々です。必要な睡眠時間はその子によって様々ですが、幼児では夜間の理想的な睡眠時間は約10時間とされています。充分な睡眠がとれないことにより日中の眠気が強くなり、不機嫌、かんしゃくが増強します。睡眠不足は日中の活動に影響し、さらには日常生活動作やソーシャルスキルの習得にも影響が生じます。また睡眠は学習内容の定着とも関連していると言われています。こどもの睡眠障害は、ご家族の睡眠障害にもつながり、仕事、家事、育児への支障をきたします。睡眠障害に対しては、その子の睡眠のタイプにあわせた睡眠環境の調整、また薬物療法を行う必要があります。しかし、乳幼児期の睡眠は客観的な評価方法が確立されておらず、日中の活動、午睡、入眠、途中覚醒、起床のどこに問題があるかが不明瞭なため、睡眠障害への介入は手探りの状況です。

体内動計、生体リズム評価、生化学マーカーなどを用いて、未だ不明な点の多い発達障害と睡眠障害との関連を明らかにすることで、睡眠障害の評価法、介入法を確立し、さらには発達障害の病態解明につなげていきたいと考えています。睡眠の改善により、すべてのこどもたち、またそのご家族が元気に楽しく過ごせる社会にしていきたいと思います。研究に関しては未熟な点が多いですが、研究室の皆様からご指導をいただきがんばりたいと思います。よろしくお願いします。