福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援 研究室

牧野拓也

連合大学院博士課程D1・特命助教

はじめまして。平成31年・令和元年に発達支援研究室に参加することとなりました臨床心理士・公認心理師の牧野拓也と申します。新たな時代に新たなスタートを切ることができうれしく思っています。

 私は愛知県の出身で、生まれてから30年以上、愛知県から出ることなく生活してきました。小さなころから好きなことにはとことんまで取り組むタイプで、自動車を好きになれば小学生のころから自動車博物館やモーターショーに出かけ、ギターを好きになればリペアショップに出入りして機材づくりに挑戦していました。

大学院修士課程を修了後は名古屋大学医学部附属病院精神科・親と子どもの心療科でトレーニングを受け、いくつかの病院勤務を経た後に平成29年度から福井大学子どものこころの発達研究センター児童青年期こころの専門医育成部門で働くこととなりました。福井県はみなさんとても優しく穏やかな方ばかりで、おっちょこちょいな私でも生活できそうだと安心しています。

 私が専門家として特に力を入れているのは児童青年期の強迫症と不安症です。強迫症とは不快な情動を引き起こす考え(強迫観念)とそれらを打ち消すための行為(強迫行為)からなる精神障害です。症状の型は幅広いのですが、代表的なものに何度も確認をしなければならない確認強迫や、手や体を何度も洗わないと気がすまない洗浄強迫などがあります。 不安症はその名の通り、特定の刺激に強い不安を感じる精神障害です。私が特にサポートすることが多いのは人前(社交場面)に不安を感じる社交不安症です。不登校の要因になっていることもしばしばある不安症で、人前で何かをすることに過度の不安を感じ、人前を避けるようになります。強迫症や不安症に共通しているのは、強く不快な情動を体験していること、それを打ち消すための何らかの工夫を行っていることです。それらによって子どもたちがその年代に経験すべき仲間関係や学習の機会が阻害されてしまいます。

 強く不快な情動が日に何度も起きて困っているお子さんは大勢います。そうしたお子さんやご家族のフォローをすることでみなさんが元気をとりもどし、病院を後にする姿をみることは私たちにとってもとてもうれしいことです。そんなお手伝いをもっと正確に、もっと確実に行うために、またそれらが広がるように研究を重ねていこうと思っています。  先生方からのご指導をうけ、成長していけたらと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。